永住許可申請は、日本での長期滞在を希望する外国人にとって重要な手続きです。この記事では、特に高度専門職ポイントで80点以上を取得し、1年以上日本に在留している「高度人材外国人」が永住許可申請を行う際の手続きについて解説します。
永住許可の要件
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者、補完的保護対象者の認定を受けている者又は第三国定住難民の場合には、(2)に適合することを要しない。
高度人材外国人(80点以上)の場合
高度人材外国人が永住許可を申請する際には、以下の条件を満たす必要があります。
- 高度専門職ポイントで80点以上を取得していること
ポイント計算は、学歴、職歴、年収、研究実績などで評価されます。詳細な計算方法については、出入国在留管理庁が提供するポイント計算表を参照してください。 - 1年以上の継続在留
「高度専門職」の在留資格を保持し、日本国内で1年以上生活していることが必要です。
先程説明した、永住許可の要件では「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること」というものがありましたが、「高度人材外国人」として「高度専門職」の在留資格で在留し、高度専門職ポイントを80点を取得している場合は、継続滞在期間が1年で永住許可申請をすることができます。(70点以上80点未満の場合は3年)
提出書類一覧
高度人材外国人の永住許可申請時には、以下の書類が必要です。
1. 基本書類
- 永住許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm、16歳未満は不要)
- 理由書(自由形式、日本語以外の場合は翻訳文添付)
2. 身元確認・家族関連
- 申請人および家族全員の住民票(マイナンバー省略、その他情報は省略なし)
3. 職業証明
以下のいずれか:
- 在職証明書(会社員の場合)
- 確定申告書控え、法人の登記事項証明書、開業届等(自営業者の場合)
- 職業に関する説明書(その他の場合)
4. 納税証明
- 住民税および国税の納付状況を証明する書類
※転居や入国から1年以内の場合、別途資料が必要な場合あり。
5. 社会保険関連
- 公的年金・医療保険料の納付証明書
※「ねんきん定期便」や健康保険証の写しなどを提出。
6. 資産証明
- 預貯金通帳の写し、不動産登記事項証明書など
7. その他
- パスポートまたは在留資格証明書
- 在留カード
- 身元保証書および身元保証人の身分証明書写し
- 了解書
8.高度専門職ポイントに関する資料
高度専門職ポイント80点以上の通知を受けている場合、以下の資料も必要です
- ポイント計算表
- 高度専門職ポイント計算結果通知書
通知を受けていない場合は、1年前時点のポイント計算結果や疎明資料も準備してください。
注意事項
- 原則として提出資料は返却されません
再入手が困難な原本については、申請時に返却希望を申し出る必要があります。 - 外国語で作成された書類には日本語訳を添付
訳文には、翻訳者の署名や捺印を付けると良いでしょう。 - 審査期間中に追加資料を求められる場合があります
提出書類の不備を防ぐため、必要書類チェックリストを活用してください。
お問い合わせ
高度専門職外国人が永住許可を申請する際には、慎重な準備が必要です。提出書類の確認や申請書の記入は専門家に相談することをおすすめします。
行政書士としてのサポートが必要な方は、お気軽にお問い合わせください。